Center for Research and Training on International Development

国際開発教育研究センター      

インターンシップ体験記


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高橋 阿惟 (GY9期生・教養学部3年)
実施国:インド
初めての発展途上国への渡航は、初めてのインターンシップという形で実現しました。一年間アメリカに留学していたとはいえ、何もかも知らない新たな環境には多くの発見と困惑、挫折など学ぶことがたくさんあります。自信があった英語が通じずジェスチャーや筆談、手話で会話することもありましたし、毎日、騒音が鳴り響き、悪臭立ち込める道を野犬に怯えながら出勤したり、買い物で法外な値段を突き付けられたりするなどインドの洗礼を多く受けました。何か大きなことを成し遂げたいと思い始まったインターン、トラブルや思い通りにならないこともあり、インターンの成果はあまり納得できるものではありませんでしたが、それでも、人が何を求めているか、社会でどういったスキルが求められるか、海外で働くということはどういうことかを理解することができた上に、発展途上国から見た日本というものに気づくことができました。また、発展途上国と同様な開発課題を日本など先進国も未だに抱えていることに気が付きました。今後は、インターンで学んだことを活かして、専攻する国際開発の場でこの開発課題を解決する方法を考えていこうと思います。そして、自分が将来なりたいと思う理想の自分になるために欠けているものを獲得するため、さらにいろいろなことに挑戦していこうと思います。
(実施先:v-shesh)


  












田盛 隆一郎(G9期生・教養学部3年生)

実施国:フィリピン・ネグロス島

マイヨンブンタン!毎朝のあの活気に溢れたミーティングの挨拶がすでに恋しい。フィリピン人といると自然に笑顔になれるんですよ!彼らの国民性でしょうか、だれに対しても(こんな私でも!!)笑顔で話しかけてくれるんです。その影響か、私も日常で笑顔が増えるようになりました。フィリピンありがとう、本当に良い国です、大好きです。さて、フィリピン愛はこれぐらいにしておいて、私はそんなフィリピンのネグロス島にあるDETiという語学学校でインターンシップを行ってきました。自然に囲まれたこの学校では日本人を対象に実践的な英語教育を行っています。生徒の幅は広く、私の滞在中は同じ年代の人もいれば親子で留学する方もいて、みんな熱心に英語を学んでいました。私はそこで教える側ではなく、裏方のマネジメントを中心に行ってきました。主な業務は広報、プロジェクトの提案や実施、既存プロジェクトの改善、学校のシステム改善の4つです。印象的な業務はやはり新しいプロジェクトの提案です。DETiでは毎週水曜日を「Mission day」と呼び、生徒達は学校外で様々なMissionを行います。将来企画業に携わりたいと考え、このような業務をさせて欲しい!と代表の方にお伝えしたところ、このMission dayの企画をさせてもらいました。そこで私は小学生をターゲットとしてフィリピンの国獣—水牛をテーマにMission を企画しました。子供たちが楽しみながら学べるようにアクティビティを取り入れたりしながら作ったものの内容がつまらない、子供目線で考えるべきなど辛口のコメントを頂き、企画業がいかに難しいことか痛感したのと同時に授業のコンテンツがいかに入念に準備して行われているかを学ぶことができました。最終的に帰国が迫り、実施まではいかなかったもののスタッフの方にプレゼンを行い、Missionを行える段階までは進めることができました。たったの5週間かもしれませんが、私にとって学びの多い充実したインターンシップでした。初めての仕事で苦労した点はあったものの自分の働く上での強みや弱みを発見できたのと同時にフィリピンという国で過ごす中で、途上国のリアルを学ぶことができたと思います。この経験を思い出として残すのではなく、今後の学生生活、将来に活かしていきたいです。
いや〜それにしても本当に良い国でした。皆さんも是非足を運んでみて下さい。








池田 圭佑 (GY9期生・工学部3年)
実施国:東ティモール
JICA東ティモール事務所にインターン生として受け入れていただいた。現地では技術協力支援の一つである「東ティモール国立大学工学部における教育・研究能力強化活動フェーズⅡ」に参加した。具体的には、東ティモール唯一の国立大学の工学部で、学力調査、授業、卒業研究の補助等をした。追加で学生の授業への参加意欲調査、出身地域分布調査、学力と出身地域の関連性調査を実施した。まず、日本の中学校レベルの数学を約150人の学生に教えた。多くの学生は既習分野である中学レベルの数学を解けず、授業で使用予定だった英語を理解出来る学生は数名しかいなかった。これらの問題に対して、学生が前に出てきて現地語で解答解説をする演習型の授業を実施し、言語の壁をなくした。さらに、学生が積極的に質問をするといった変化が見られた。ただし学力差が大きく、内容についていけない学生も見られた。このような現状から、大学での授業だけでなく初等教育の改善が必要であると感じた。次に、どこの初等教育改善が最も効果的か調べるため、出身地域・高校のアンケートを実施した。この調査を実施した他の理由は、歴史的・政治的背景が教育分野に影響していることに対し、その実態を明らかにすることであった。アンケート結果をテスト結果と関連づけ、どの教育段階で、どの地域や高校で数学教育を向上させればUNTLの学生の基礎数学力が効果的に向上するか考察した。活動を通じて、途上国における教育の重要性を強く感じた。勉強に意欲的な学生でさえ、理解することが何かを知らない、何を理解していないのか把握できない等、多くの課題があった。そして質の高い教育に学生が平等にアクセスできる環境が必要であると思った。だが同時に、そのような環境を実現する難しさも感じた。
最後に、インターンシップ期間、JICA関係者だけでなく、現地の学生や教官、欧米やアジアから来たNGOやWHOで働く方々等200名以上と関わる機会があった。そこで多くの人の経験や活動を知り強く刺激をうけた。この経験と知識を自分のキャリア設計に生かしていきたい。



















澤田 明宏(GY9期生・経済学部3年)

実施国:ドミニカ共和国

私は夏休みの約2ヶ月間を使い、ドミニカ共和国(以下ドミ共)のJICA事務所に広報担当としてインターンシップを行いました。ドミ共はカリブ海に浮かぶ島国で、メジャーリーグで活躍する野球選手や美しいビーチでご存知の人が多いかと思います。国としての発展具合としては、世界銀行の分類だと中所得国に分類され経済発展も順調で、中南米・カリブ諸国の中では比較的豊かな分類にあり、首都に立ち並ぶ高層ビルがそれを物語っています。詳しくはJICAドミ共事務所のホームページを覗いてみてください。
インターンシップは長期間だったため行ったことは数え切れませんが、ホームページの更新、プロジェクト現場視察、プロジェクト紹介チラシ作成、などです。職場は日本語・スペイン語・英語と日本・ドミ共の職習慣が入り交じる不思議な場所でありましたが、求められる能力は一緒で、自分の語学・教養・発想力などの不足を日々痛感しました。社会人として扱ってもらえる一方で、職員の方々には本当に親切にしてもらい様々なことを学び、本格的に社会に出る前にこの様な経験ができたことはとても有意義なものになりました。
 自分が今までボランティアやNGOなどの現場で実際に活動がわかりやすい部分に焦点を当てていましたが、この様な方々や事業が行われる後ろにも支える人が当然居て、見えづらい所で多くの地道な作業や苦労がなされていることを認識しました。自分が将来どの様な立場で開発援助に関わるにしても、まだまだ力不足な部分が多いため、それを残りの学生生活そして社会に出たあとも学び続けていきたいというのが2ヶ月の活動を終えてのまとめです。









内田 綾香 (GY7期生・教育学研究科教職大学院)
実施国:エジプト
11月中旬より1ヶ月間、JICAエジプト事務所においてインターンシップをさせていただきました。エジプトと聞いてもピラミッド以外特にイメージも無く、ドキドキしながらスタートしました。エジプトでは教育の質が課題であり、教育の機会は確保されているものの授業のレベルや教員の体罰といった多くの問題を抱えています。そこでJICAとエジプト政府が協力してEgyptian Japanese School(以下EJS)を設立しました。日本式教育(特別活動)の導入がされた点を特徴としています。現在40校開校されており私はそのうちの7校を巡回してきました。EJSで働く先生方への意識調査を行うことが私の大きな仕事でした。大学院でも教育を専門としている私にとって、エジプト側に「何かを与える」イメージで始まったインターンシップ、しかし実際はエジプトから教えてもらうものばかり。日本式教育の意義をエジプトで考えさせられた1ヶ月となりました。「エジプトの社会を変えることができるのは子どもたちしかいない」と考え、教員という仕事に誇りをもつ先生方をみて、日本にどれだけそう考える先生がいるのかとも思いました。この1ヶ月間を経て日本で教員になって協力隊に行きたいな、くらいの私のキャリアプランは格段に変わりました。日本も世界も双方向に教育をよくしていくお仕事に就きたいと考えています。そのために教員経験、協力隊、開発を学ぶための大学院進学を経て私に何ができるのか考えていきたいです。

























阿部 淑乃(GY9期生・経済学部3年)

実施国:フィリピン

私にとって二度目となる今回のフィリピンへの渡航は一回目とは全く異なる視点を与えてくれました。受け入れていただいたのはNPO法人IMAGINUS、フィリピンやインドに拠点を置きながら、村人への支援と途上国で学びの場を提供しています。私は一か月半の間、フィリピンのドゥマゲティにて、村人の収入向上を目的に商品開発とその販売・管理を行いました。具体的には、コーンティーの改良、ミサンガ売上予測と在庫管理、ミサンガのPOP作り、販売スペースの改善、カバヤブサン支出調査、クロシェットとココナッツシェルボールの商品開発、定期調査の考案です。商品企画や利益計算など実践的な業務ができたことはもちろんですが、村への訪問や村人とのコミュニケーションをとることができたのはさらに貴重な経験でした。今までどこか漠然と語っていた貧困や経済格差が、より現実のものとして自分の意識に刻まれます。いつも明るくジョークを言いながら、“仲間”と“部外者”との壁ははっきりとあるフィリピン人、“仲間”として苦しい現実を打ち明けてもらえたのはとても嬉しい事でした。そしてそこの人々に対する想いや情が増えれば増えるほど、今の自分の活動がどう彼らにとって役立つのか、将来を見据えた長期的な支援になっているのかをとても考えさせられました。多くの短期インターンシップ生を抱えながら“私たち日本人の学び”を優先するのか、“村人との国際協力”を優先するのか。NPO、NGOが持続的な活動と支援をしていくためにはどのような体制がベストなのか。実際に活動する中で、その答えを見つけることはできませんでした。
ところで皆さん、世界的に見た日本のNGOがどれだけの規模か知っていますか?Global Journal誌のNGO世界ランキングTOP100によると、日本の団体は1つもランクインしていません。TOP500になると18の日本の団体がランクインし、国別にみた500圏内のNGO団体数においてその数字は5番目に多いです。つまり、世界レベルでみた社会的インパクトは小さいが、狭い範囲で活動を続ける団体が日本に数多く存在するということです。小規模で草の根的な活動をする日本のNGO・NPO団体で、持続的な活動と支援の両立に苦戦している団体は少なくないのではないでしょうか。そんな国際協力団体の持続的な活動をサポートし、より多くの団体が現地に適合したきめ細やかな支援をできるような環境を整えることが必要だと感じました。インターンシップでの経験で感じたこのような必要性に気づけたことは、自分のキャリア設計にとても大きな影響を与えます。フィリピンで得た国際協力に対する新たな視点を活かしながら、自分の将来を明確にし、行動にうつしていきたいです。







                                
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