·        新規パール顔料開発に資する有機修飾無機ナノ粒子組織化膜による「構造色」発現

現在,ファンデーション中の無機顔料やサンスクリーン中の紫外線散乱剤として,無機ナノ粒子の活用に注目が集まっている.π共役系の分子団による有機顔料や,紫外線吸収剤に比べて肌刺激が少なく,敏感肌や低年齢層のユーザー向けには,無機成分のみで作られた製品も開発・販売されている.本研究では,表面に有機分子鎖で有機修飾を施した,最小粒子径5 nmの無機ナノ粒子(マグネタイト,ナノダイヤモンド)を活用し,それらを二次元集積・三次元積層することで,可視光散乱に基づく「構造色」発現によって,新規のパール顔料の提案を目指している.

マップ が含まれている画像

自動的に生成された説明

有機修飾無機ナノ粒子は,親油性の付与と共に両親媒性を得ることが出来るため,気/水界面に展開して,単粒子膜を形成させることで二次元集積化を達成した.これをLangmuir-Blodgett法で三次元積層させることで,節密な周期構造を有するナノ層状組織体を得るに至り,構造色の発現に成功した.特にナノダイヤモンドを活用した場合,抗菌性や蛍光性を付与することが可能であるため,非退色性で清潔かつ,陽の下で多彩な輝きを発する化粧品製剤の開発に寄与できると期待する.

ダイアグラム

自動的に生成された説明

研究担当者: 山岸 由衣 坂本

List of selected papers

N. Kikuchi, Y. Yamagishi, A. Fujimori,* Thin Solid Films38 (2022) 139470.

 

 

T. Ohashi, Y. Yamagishi, N. Kikuchi, A. Fujimori,* Thin Solid Films757 (2022) 139416.

研究内容コンテンツへ