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香りの有機化学とは?


  人々は、さまざまな香りに包まれて生活しています。香りのもとである「におい分子」が「におい分子受容体」と化学的な相互作用をし、その作用が電気信号に変わり、脳でにおいとして認知されること。この過程を経て、はじめて人は香りを感じます。この一連のにおい認識のメカニズムにおいて、におい認識のもととなる「におい分子」を研究対象としているのが、香料化学です。

日本では西洋の香水に代表される香りの文化とは異なった「お香」という独特の香りの文化が古来から育まれ現在に至っています。このお香には、白檀をはじめとしてベチバー、パチュリ、乳香など、さまざまな香気をゆっくりとおだやかに発する植物体が使われています。一方、これらの香材は薬としても使われています。このような、香りと薬の両面性は、西洋において様々な植物(上記香材も含まれます)から得られる精油を用いたアロマテラピーと共通するものです

  これらの香材の香りは、その特徴的な東洋的香りを有することから、それらの植物体から得られる精油は、世界中で多くの香水や化粧品などに使われています。古くから知られているにもかかわらず、これらのにおいの主原因となっている「におい分子」がなんであるかは、ほとんどわかっていません。それは、これらの香りが多くの複合臭から形成されておりかつ香り分子の複雑な相互作用によってこれらの香りが作られているからです。日本古来の香りの解明、これが私の研究テーマです。


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