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調理学研究室

島田 玲子

調理学って、どんなことをする学問?皆さんはそう思いませんか? 生活を科学する家政学の中で、調理学は調理や保存によって食品がどう変化するかを学ぶ学問です。私たちが普段なにげなく行っている調理操作の多くには、科学的な理由があります。ほうれん草はなぜたっぷりのお湯で茹でるのか、パンやケーキはなぜ膨らむのか、ハンバーグに入れる卵やたまねぎやパン粉はどういう働きをしているのかなど、調理操作のなぞを科学的に検証していきます。 しかし、一筋縄ではいかないのが料理です。例えば加熱ひとつをとってみても、温度や湿度、加熱時間など、複数の要因が同時に絡み合っています。そこにさらに材料の影響も関わりますので、「こうすればこうなるよ」と因果関係を説明するのはすごく難しいのです。卒業研究では、複雑に絡み合う様々な要因の影響を予測し、そのメカニズムを解明するための方法を推測し、研究に取り組んでいきます。また、実験だけではなく、食生活についてもテーマとして取り上げます。大学生の生活実態や、家庭での調理の伝承など、食に関わることを様々な角度から研究をしていきます。

卒業研究のテーマ

卒業研究のテーマ

私の研究領域

写真 家政学の一分野である食物学には、食品学、栄養学、調理学の3分野があります。その中で、私が担当するのは調理学。
具体的には、調理実習Ⅰ・Ⅱ、調理科学、調理科学実験という授業を担当しています。調理実習といえば、小学校から何度も体験してきた授業です。
また、食事作りは家庭でも日常的に行われています。高校までの調理実習や家庭での調理と、大学の調理実習はどう違うのでしょうか?
もちろん、普通家では作らないような豪華で手の込んだ料理を作る、というのも一つのあり方でしょう。でも私の調理実習では、調理の基礎を押さえることに重点を置いています。
まず始めは小学校5年生で作るご飯とみそ汁から。料理の種類は数限りなくありますが、基礎となる科学的なポイントはそんなに沢山はありません。
そのポイントを押さえることで、調理の幅はいくらでも広がっていくと考えています。調理科学や調理科学実験もすべて調理を科学することにあられます。