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食品学研究室

上野 茂昭

 私は食を取り巻く環境について,川上である農地・製造現場から,川下である家庭の食卓までを含む領域において,網羅的に教育および研究活動を行ってきました.具体的には,食品製造学,食料・食品資源学などにおいて,食品加工プロセスや食品衛生の分野についての講義を行うと共に,食品科学実習,農場実習などの実習科目において,微生物学的な視点からの製パン,チーズ製造,官能検査のみならず高圧処理といった全く新しい食品製造・殺菌技術を取り入れ,新旧の学術領域を柔軟に織り交ぜ,食品を取り巻く教育を行ってきました.本講座では,食品学,栄養化学,家政学概論,家政学基礎実験,食品栄養実験など,食を取り巻く科目を担当しております. 本研究室では卒業研究を通して,「家政教育における食品学」を教育現場で活用する方法論について,食品科学・食品栄養・食品工学・食品衛生・食品安全性の観点から指導することにより,特定の学問領域における素養のみならずオールラウンドな教養を身につけた学生を育てることを目指しています.

卒業研究のテーマ

私は2013年4月に着任したため,卒論生はおりません.ここでは教員の研究教育テーマをご紹介します.

私の研究:調理加工によって農産物を高付加価値化できないか?

写真 我々が食べる農産物は主に植物であり,外的な環境ストレスに対するいろいろな防御機構を持っています.また,外的なストレスは植物体内において,種々の反応を引き起こします.このような特徴を積極的に利用して,非加熱調理加工後(過冷却凍結等)の食品成分,食感などの物性および機能性を変化させて,より美味しく,より安全で良いものを作ろうとする試みです.得られる研究成果を通して,高齢化社会に対して新たな食生活・食素材を創造することを目指します。