REPORT

2019.10.18(金)更新

第11回埼玉大学男女共同参画室講演会を開催しました。

10月10日(木)、「第11回男女共同参画室講演会」を、東京都健康長寿医療センター研究所研究員・平山亮氏を講師に迎え、「男に介護は難しい?ジェンダーの視点で考える『親の老いとの付き合い方』」をテーマに開催しました。当日は、教職員、学生など約80名の参加がありました。

                  講演中の平山氏

講演でははじめに、国民生活基礎調査等のデータをもとに、誰が介護を担当しているのかなど介護の現状について説明がありました。また一般的に男性が抱えやすいといわれる介護の問題について、事例を挙げながら性別役割観からみて男性であれば珍しく注意を向けてもらえることであっても、女性であれば介護における困難がみえにくくなるといったジェンダー非対称性の指摘がありました。さらに、介護を受ける親が希望・ニーズを伝えられる人や親のニーズを判断してくれる人、いろいろな見方、判断を可能にするため、介護に複数で関わることの重要性を述べられました。最後に、介護サービスはツールであり、肝心なのは親の希望であって、親が希望する生活のイメージを聞いておくこと、希望があってこそ選べる医療や介護のサービスであるとのお話しがありました。

 

                          講演会の様子

講演後には、参加者から多くの質問がありました。また、講演後のアンケートでは「性別役割からくる女性の孤立しやすさは介護だけでなく育児にもいえることではないか」との感想も寄せられ、多くの参加者にとってジェンダーの視点で介護を学ぶ有意義な時間となりました。