「何の教科が好きか」ではなく「自分は何に興味があるのか」
 教育学部 自然科学専修 大朝研究室 3年

  1. 自己紹介
    私が所属している教育学部自然科学専修では、小学校~高校の理科教員の育成を目指しています。理科教員の免許以外にも、私は幼稚園教諭免許の取得を目指して授業を受けています。自然科学専修の授業では、物理・化学・生物・地学の幅広い範囲を学んでいます。1年生では、すべての基礎となる内容を座学で学び、2年生では月~木曜日まで毎日夜まで実験をします。実験はすべての分野で行いますが、例えば生物学実験では遺伝子組み換えを行ったり、地学実験では大きな望遠鏡を用いた観測・解析を行ったりしました。どの実験も、今まで教科書の中でしか見たことがなかったようなものを実際に体験することができ、興味深かったです。次に、3年生では問題演習や発表を主に行います。また、3年生になると理科の中で興味がある研究室へ配属され、3年生~4年生の2年間をかけて2年次の実験よりもさらに深く学んでいきます。私は実験をやってみて一番興味があった天文学の研究室である大朝研究室に所属しています。大朝研究室では昼に太陽観測を行い、夜は大朝研究室が開発した装置で観測をしたり研究対象となっている太陽系外惑星や生まれたての星々、爆発する星などを観測したりしています。個人の研究テーマは3年生の秋ごろ決まりますが、自分の興味があることができるのでやる気が出ます。私は、偏光装置開発についての研究を行うことになり、これからさらに学んでいくところです。
  2. これまでの歩み
    私が理系に進むか、文系に進むかの選択を迫られたのは高校2年生のクラス分けでした。それまでは運動に打ち込んでいたので、勉強は正直二の次で、自分が理系か文系かなんて考えたこともあまりありませんでした。選択が迫られたときも特にどちらが好きと言うわけでもなく、読書が大好きで、でも数学も好きだなあ、どうしようかな、と迷ってしまいました。そこで考えたのは、いま目の前にある「何の教科が好きか」ではなく、もっと広く「自分は何に興味があるのか」ということでした。それからはテレビに出てくる人や街中のお店、病院について自分は興味があるのか考えてみたり、普段何気なく使っている文房具や日焼け止めなどについてこれはどうやって作っているのか、どんな技術や知識が必要なのかを調べたりして、自分は理系と文系のどっちに傾いているのか考えました。「ああこれは化学を勉強する必要があるのだ」や「この仕事をするのであれば、経済の勉強をする必要があるのかな」くらいで決めました。
  3. 後輩へのメッセージ
    いま、理系に進むか文系に進むか迷っている人や、理系に進むことにはしたけれど自分は将来何になりたいのかわからなくて不安に思っている人も多いかと思います。そのような人たちに、私からは「いろんなことに挑戦してみてください」ということを伝えたいです。実際に何かに挑戦してみると、外から見るのと中から見るのとでは全く違っていた、ということも多いと思います。また、やりがいや楽しさはやってみないとわからないということもあります。逆に一見楽しそうだと思っていたことが実際やってみたらとても大変だった、難しかったということもあると思います。でも、必ずしも「できなければならない」必要はないし、成功したからよかったというわけでもないです。大切なのは挑戦して考えることだと思うので、積極的にさまざまなことに挑戦してみてください。もし実際にやるのが難しいことならば、そのことに詳しい人などの話を聞くこともいいと思います。普段何気なく見ているもの、触れているものを素通りするのではなく、一度向き合ってみてください。
    (2016年8月4日 HiGEPS女性科学者の芽セミナーでの発表内容を編集)