「受験勉強だけにとらわれずに、積極的に科学について知ってほしい」
理学部 分子生物学科 4年

自己紹介

研究室での実験の様子

理学部分子生物学科の4年生です。3年生までは授業がメインの生活でしたが、今は大学院生と一緒に毎日研究室で実験を行っています。わたしが学んでいる分子生物学とは、分子のレベルで生命現象を理解する学問です。主に核酸、蛋白質、糖質、脂質などの生体分子を扱った研究を行います。授業でも遺伝子に関する知識や研究の歴史から生体内の脂質や蛋白質のはたらきなどを学びます。また実験の授業もあり、分子生物学の研究で使われる実験手法を実際に自分の手を動かして学ぶことができます。現在は卒業研究としてシアノバクテリアの光合成に関わる転写因子(DNAからRNAを合成する“転写”という反応を制御するタンパク質)の機能を調べています。

シアノバクテリア

これまでの歩み

中学校までは数学と理科が好き、と漠然と理系を意識していましたが、高校に入り特に化学が好きな教科と感じるようになりました。進学する大学・学部を選ぶ時には化学が好きだから…と工学部の応用化学科や理学部の化学科を考えていました。しかし、わたしが高校3年生の時にiPS細胞のノーベル賞受賞をきっかけに、遺伝子や生体分子に関連する研究に興味を持ち、分子生物学という学問を知りました。化学の中でも有機物や化学反応の分野が好きだったため、化学を深く学ぶより生物を分子レベルで研究する分野の方が自分の興味に合っていると思い、現在の学科を選択しました。

後輩へのメッセージ

極端な意見かもしれませんが、科学の中にどこか好きな分野があるなら迷わず理系に進んでほしいと思います。大学ではある特定の分野を深く勉強することになります。苦手な分野があるからとネガティブな進路選択ではなく、好きだから勉強したいというポジティブな気持ちはとても大切だと思います。

また、4年間かけて勉強したいと思えることを見つけること、興味のある研究がどこでできるか調べることがとても大事です。わたしは自分の興味に合った学問を学べる学科を選択できたと感じていますが、周りをみると「本当は違う勉強がしたかった…」と言っている友達も多くいます。大学ではユニークな研究がたくさんされています。調べてみるとまだまだ知らない世界があることがわかると思います。受験勉強だけにとらわれずに、積極的に科学について知ってほしいと思います。

2016年11月19日 HiGEPS女性科学者の芽セミナーでの発表内容を編集