研究概要松岡

  • 泡沫分離法を用いた水溶液からの放射性金属の除去

界面活性剤を用いた泡沫分離法を利用して、溶液(汚染水)中のセシウム、コバルト、ストロンチウムのような多種の金属イオンや有機化合物を選択的に気泡界面に吸着させ、溶液(汚染水)の界面から泡沫として排除する研究を行う。また、気液界面での物質の吸着の選択性や特異性を研究する。物質の吸着に有効な界面活性剤を見つけていく。




泡沫分離を用いた組織の洗浄
 泡沫分離を使用して組織の脱細胞と洗浄例。独協医科大学と共同研究で組織の洗浄システムの研究を行っています。

両親媒性分子の会合体形成ー分子デザインと自己組織化の関係

  • 界面活性剤やリン脂質等などの両親媒性分子は水溶液中において、疎水性相互作用からナノからマイクロサイズの会合体を形成する場合がある。親水基と疎水基のバランス、電荷、幾何学的形状などを変えることで、大きくその物性や会合体構造が変化します。その会合体形成機構を実験から解明することを目的として、これまでに多くの物質を合成し、その物性解明に取り組んできました。今後も、系統的に両親媒性分子のデザインを系統的に変化させ、自己組織化の機構を解明していきます

生体界面活性剤のミセル形成

 胆汁酸塩
 胆汁酸塩は肝で生合成され、腸内で難水溶性物質である脂質や脂肪酸を可溶化し、物質の乳化剤やキャリアとして機能している。胆汁酸塩は生体界面活性剤とも呼ばれ、小会合体である胆汁酸塩のミセル構造の決定は難易度が高く、10種類以上に及ぶ胆汁酸塩のミセル形成とその構造をNMRや散乱測定を中心に明らかにしていく。そのナノサイズの会合体の物理化学的特性は生体内の研究においては重要な特性である
  • サポニン
    • サポニンは植物界に広く分布し、石鹸のような持続性の泡を発生する植物成分の総称である。この物質は環境負荷の少ない物質として洗浄剤としての機能を持っているが、界面活性剤としての性質や機能は殆ど報告されていない。例えば、写真に示すようなカンゾウ由来のグリチルリチン酸ナトリウムのマイクロサイズオーダーの分子集合体のTEM撮影に成功しており、今後、代表的なサポニン類の機能解明と乳化剤、洗浄剤としての機能に着目して研究を行いたい。

    両親媒性分子の保護基をもつ金属ナノ粒子を用いた活性酸素消去

     両親媒性物質と金属で構成されたナノ粒子を用いて、ESRや酵素法を用いて活性酸素の消去研究を行う。活性酸素種の消去に関する研究はラジカル発生による炎症疾患や動脈硬化の治療に関する基礎的研究として成り立つだけでなく、この物質が新薬となりうる可能性も秘めている。SOD酵素に匹敵できるような新規物質をコロイド化学の立場から研究する。
  • 難水溶性物質の可溶化現象に関する研究

  •  水溶液中において,難水溶性物質は界面活性剤が形成する会合体と疎水性相互作用をすることで,著しく溶解度が向上することが知られている.この現象を可溶化と呼ぶ。新しい界面活性剤だけでなく、これまでの界面活性剤を含めて、その可溶化能力と分子構造の関係をを研究し、NMRやSAXSなどを用いて、その可溶化位置を研究する。