双安定な電極反応と神経系

硫酸水溶液に鉄線を漬け、対極との間の電位を規制すると、電流が勝手にパルス化する。これは、鉄電極表面の不導体皮膜の生成崩壊を反映した非線形自励発振現象である。図4は、この鉄非線形発振子を24組/星形に電解液に漬け、電流発振の時系列を観測した結果である。電気的な干渉がないように工夫した駆動回路で独立に制御された非線形振動子は、それぞれ溶液中に電位と水素イオンの波を軸対称に放出する。この電気化学振動波を介して、振動子は相互に干渉して、その電流発振のタイミングが定まる。図では、24個の振動子が3組のクラスターを作り、電流パルスが振動子の集団を伝播した。また、振動子の配列を変化させると、総ての振動子の電流発振の位相と周期を完全に一致させることもできた。非線形電気化学振動子の集団挙動を解明することは、脳や神経系に代表されるイオン素子の観点から重要であると共に、後述する「電気化学振動を利用した物作り」において「非線形引き込み現象」を利用した構造同一性を保証する点からも注目される機能である。

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複雑系のリアリティ その4

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