コロイド結晶の研究 [ 研究背景 ] コロイド結晶は、大きさの揃った粒子が静電反発力によって周期構造を取っている。また、結晶の格子間隔が可視光領域の近辺に有るとき、コロイド結晶は粒子間隔に固有な光を回折して鮮やかな色を放ち始める。この様な発色は構造色と呼ばれている。(図1)また、構造色が見られるのは粒子が格子を組んでいることの現われである。コロイド結晶の周期的構造は、三次元的に広がっている。その為、原子結晶のモデルとしても考えられてきた。 [ 研究内容 ] 当研究室は、粒子を自ら合成している。その為、目的にあった粒子を設計して、測定を行えると言う利点を持つ。この様なグループは、他に少ない。よって、粒子の合成から解析までを行える点が我々のグループの有利な点である。では、その様な研究例を下記にて述べる。 [ コロイド結晶の構造色制御 ] 本研究の目的は、磁場により粒子の間隔を調節してコロイド結晶の構造色を制御することにある。その為に、まず、磁場に応答する粒子の合成を目指した。目的としては核として強磁性体であるマグヘマイト(γ−Fe2O3)を持ち、その周りをシリカで包んだ磁性をもつ複合粒子を設計した。図2は、合成した粒子をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察したものである。中心に見える黒い点はマグヘマイトである。この複合粒子からなるコロイド溶液を脱塩すると図3Aの様な紫の構造色を有するコロイド結晶を得ることに成功した。これに上から磁場を印加すると粒子が、上部に引きつけられてBの様に構造色が紫から緑へと変化する。 我々は、複合粒子からなるコロイド結晶を作成する事で、磁場による構造色制御に成功した。 |
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