【学歴】 |
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広島大学 博士課程 生物圏科学研究科 2000
広島大学 修士課程 生物圏科学研究科 1997
広島大学 総合科学部 1995 卒業 |
【取得学位】 |
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学術修士 , 博士(学術) |
【主な経歴】 |
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埼玉大学理工学研究科 教授 (2017/04-) 埼玉大学理工学研究科 准教授 (2009/01-2017/03) この間、ケンブリッジ大学訪問研究員 (2014/07-2015/06)
埼玉大学理学部・理工学研究科 助手・助教 (2001/07-2008/12)
科学技術振興事業団 特別研究員 (2001/01-2001/06)
岡山県生物科学総合研究所 流動研究員 (2000/04-2000/12)
日本学術振興会 特別研究員(DC) (1997/04-2000/03) |
【現在の専門分野】 |
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植物の糖鎖生物学、糖質科学 |
【担 当授業科目】 |
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【学部】基礎生物学実験、分子生物科学実験I・II, 糖鎖科学演習、分子生物学基礎、
糖質生化学、タンパク質生化学
【大学院】分子細胞学特論6(博士前期)、植物糖鎖生物学特論(博士後期)
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【現在及び現在までの研究テーマと、その発展過程】
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植物細胞壁の生物学的な意義の解明を目指して、細胞壁多糖類に関連した生理・生化学的な研究を行っている。
(1)
高等植物に普遍的に存在するアラビノガラクタン-プロテイン(AGP)は、成長、分化、生殖、細胞死など様々な生命現象に関わるが、分子種が多い上に糖鎖
構造が複雑であるため機能解析が困難である。AGPには共通した糖鎖構造があることに着目し、AGP糖鎖特異的な糖質分解酵素の単離と性状解析、分解酵素
遺伝子による植物体内でのAGP
糖鎖の構造解析(Plant Physiol., 2011)、構造改変(Plant Physiol.,
2012)を行っている。これまでに新規酵素としてエキソ-β-1,3-ガラクタナーゼ(J. B. C., 2005; A. E. M.,
2006)やエンド-β-1,3-ガラクタナーゼ(J. B. C., 2011)、エンド-1,6-ガラクタナーゼ(Biochem. J.,
2004; A. E. M.,
2008)を真菌やバクテリアから単離している。また、植物内在性のAGP分解酵素として、ダイコンのα-L-アラビノフラノシダーゼ(J.
X. B., 2006)や、β-ガラクトシダーゼ(Plant Physiol., 2005)も同定している。
(2) イネのカマイラズ変異体は脆くも節間(茎)が折れちぎれてしまう突然変異体で、二次細胞壁の構築に異常があると考えられている。イネ科植物の細胞壁構築機
構の一端を解明すべく、複数のカマイラズ変異体について、原因遺伝子の単離と変異が引き起こす細胞壁の構築異常の解析を進めている(Plant Cell
Physiol., 2009; Planta, 2010; J. X. B., 2011)。
(3)
多糖類、糖脂質、糖蛋白質、配糖体の多くは糖ヌクレオチドを基質として糖転移酵素の働きにより合成される。植物の糖ヌクレオチドは、糖ヌクレオチドの逐次
的な変換反応を行うde
novo経路と、単糖から単糖1-リン酸を経て糖ヌクレオチドに合成するsalvage経路により供給される。salvage経路において様々な糖1-リ
ン酸を各種UDP-糖に変換する新規のUDP-糖ピロホスホリラーゼ(USP)をトウミョウ(エンドウ芽生え)から同定した(J. B. C.,
2004)。USPは植物特有の糖ヌクレオチド代謝反応に関わり、少なくとも花粉細胞壁の発達には不可欠な酵素であることが示された(B.
B. B.,
2007)。また、ゲノム情報を利用してL-フコースのリン酸化とGDP-L-フコースへの変換両方を触媒するタンパク質、FKGPを同定した(J.
B. C.,
2008)。FKGP遺伝子を破壊したシロイヌナズナでは遊離のL-フコースが再利用されずに蓄積することを明らかにしている。さらに、de
novo経路でUDP-キシロースとUDP-L-アラビノースの変換を触媒する酵素として、PsUGE1を同定した(Biochem. J.,
2009)。2015年には、GDP-マンノース合成を制御する因子KONJACを同定した(Plant Cell, 2015)。
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【学位論文の題名】
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「高等植物の生長に関与するグルカナーゼの性質と機能に関する研究」
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