由
来植物の異なるAGP糖鎖構造の比較
福岡 久瑠美
●AGPと
はなんだろう?
植物の細胞には細胞壁という構造があ
り、細胞壁にはアラビノガラクタン-プロテイン
(AGP) という物質があります。AGPは植物が正常に成長していくうえでなく
てはならない存在です。
●AGPっ
てどんなもの?
AGPは
タンパク質と糖から構成され、その構造は植物の種類や植物の部位、成長段階で様々に変化すると考えられています。AGPの
糖はたくさんの種類の糖が結合して鎖状に なっており、これを糖鎖と呼びます。AGPの糖鎖の構
造はとても複雑です。
AGPの植物の成長への重要性が注目されているにもかかわらず、その構造と働きの関係は未だ明らかになってい ません。そこで、私はAGPの糖鎖の構造を解析する研究を行っ ています。
●どうやって調べるの?
まず、調べたい植物をすりつぶしてAGPが多く含まれる粗多糖を取り出します。
@AGP糖鎖を構成する単糖の比率が知りたい
→糖鎖を加水分解して、単糖に分解する
→分析機器 (HPAEC-PAD) で調べる
HPAEC-PAD:塩基性溶液で正にイオン化した単糖を電極表面で感知して分離溶出する高速液体クロマトグ
ラフィー
AAGP糖鎖がどのような形状をしているのか知りたい
→糖鎖を酵素によってオリゴ糖に分解
する →分析機器 (HPLC) で調べる
HPLC:
分解した糖鎖を蛍光標識して液体クロマトグラフィーで検出する方法
●どんなことがわかるの?
先程も言いましたが、AGPはほとんどすべての植物に存在します。しかしその構造と役割は未だ不明な点が多いのです。AGPの構造を調べることで、AGPが植物の成長のど
のような役割に関係しているかを明らかにできると考えられます。