GDP-グルコースピロホスホリラーゼの性状解析

研究の内容
 こんにゃくゼリーなどでおなじみのコンニャク、その主成分はグルコマンナンという植物の多糖類です。グルコマンナンは体内で消化されないため、腸内をきれいに掃除する整腸作用が注目されています。このグルコマンナンの原料は
GDP-グルコースというものです。GDP-グルコースはGTPとグルコース-1-リン酸からGDP-グルコースピロホスホリラーゼという酵素の働きによって作られます。この酵素を詳しく知るためにエンドウからこの酵素を精製し、性質を調べています。

研究の大事な点
 GDP-グルコースピロホスホリラーゼは不安定な酵素で、たとえば温度の上昇によってはたらきが失われます。
そのため実験は低温に保たれている部屋で行います。これまでに、動物細胞からGDP-グルコースピロホスホリラーゼの精製が行われたことが報告されていますが、植物ではまだ精製されていません。いかに上手に植物から酵素を精製できるかということが重要となります。

こんな実験やってます
 
酵 素の精製には酵素がくっつく「樹脂」というものを用います。樹脂を詰めたガラスの筒にエンドウのすりつぶし液を流すと、樹脂の中を流れるうちにそのイオン 的性質や大きさの違いによってほかのタンパク質と分かれるので、酵素がきれいになります。きれいにした酵素は試験管内で反応させ、HPLCという機械を用いてGDP-グルコースができたかどうか確かめます。そして酵素がどのような条件でよく働くのかなど、酵素の性質を調べます。

参考文献

Ning B, Elbein AD (2000) Cloning, expression and characterization of the pig liver GDP-mannose pyrophosphorylase. Evidence that GDP-mannose and GDP-Glc pyrophosphorylases are different proteins. Eur. J. Biochem., 267:6866-74
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