理科教育学を学ぶための資料
理科教育の主な用語と参考文献の紹介
構成主義学習論
理論の概要
(ア) 「子どもには、子どもの科学の世界がある」という考え方を、きわめて重視。
(イ) 子どもは、学習する以前に、何らかの考え方や概念(素朴概念)を有している。しかも、この素朴概念は本質的に強固なものであり、変容させることが難しい。
(ウ) 知識というものは、認識の主体により受動的に受け取られたりするものではなく、知識の獲得には必ず学習者自身による意味の再構成が必要となる。
【参考となる文献】
・「子ども達は理科をいかに学習し教師はいかに教えるか」 R.T.ホワイト著 東洋館
・「子ども達はいかに科学理論を構成するか」 R.オズボーン・P.フライバーグ編 東洋館
・「子ども達の自然理解と理科授業」 R.ドライバー他編 東洋館
現代的科学観
今日、科学観は唯一無二の客観的で真正な自然世界像(絶対的)が存在すると考える伝統的科学観から科学理論はある種の理論的前提に基づいて自然世界を眺めるための一つの枠組みと捉える現代的科学観へと大きく転換してきた。
【参考となる文献】
・「新しい科学論」 村上洋一郎 講談社
・「現代科学論」 井山弘幸・金森修 新曜者
・「理科の再発見」 小川正賢 農文協
・「科学の解釈学」 野家啓一 新曜社
理論負荷性
認識する側が持っている見方や考え方によって、自然事象に対する解釈が影響を受けることをいう。見ることは、理論負荷的な試みなのだ・・・
【参考となる文献】
・「認知心理学からみた読みの世界」 佐藤公治 北大路書房
発達の最近接領域(ZPD)
子どもが一人でできるレベルと教師や仲間の援助によってできるレベルとの間をいう。
【参考となる文献】
・「具体性のヴイゴツキー」 茂呂雄二 金子書房
・「ヴイゴツキーの発達論」 中村和夫 東京大学出版会