REPORT

2020.11.25(水)更新

【11月11日】第12回ダイバーシティ推進室講演会を開催しました。

11月11日(水)、「第12回ダイバーシティ推進室講演会」を、ジャーナリスト・和光大学名誉教授 竹信三恵子氏を講師に迎え、「コロナ禍が浮き彫りにした家事労働ハラスメントの闇」をテーマにオンラインで開催しました。当日は、教職員、学生など約70名の参加がありました。

講演でははじめに、コロナショックで顕在化した女性が低賃金で様々な役割を担うことで成り立っている社会のしくみについての国連女性機関の事務局長の声明の紹介があり、家事労働ハラスメントの現状や女性の雇用減少の背景について説明がありました。また、女性の育児や家事労働を蔑視してきた日本社会の問題を指摘し、妻がパートで家計補助的に働きながらケアを一手に担い夫の労働を支えるという「妻付き男性モデル」が標準的な働き方であるという認識から、シングルマザーをはじめ多くの非正規労働者への公的なセーフティーネットの対応の不備、遅れにつながっているとの指摘がありました。さらにコロナ禍での在宅ワークや同一労働同一賃金に関連した最高裁判決における、非正規労働者を取り巻く一連の課題についても取り挙げながら、女性、非正規労働者を巡る問題がコロナ禍でより深刻になったと述べられました。最後に、コロナ後の女性の働き方に必要なものとして、「妻付き男性モデル」を標準とした政策の見直しや非正規公務員の短期契約・低待遇の見直し等を挙げ、女性支援団体の活動を強化していくことも重要であるとのお話しがありました。

講演後には、参加者から多くの質問がありました。また、講演後のアンケートでは「いかに女性がコロナ禍で弱い立場に置かれているかを理解できた」との感想も寄せられ、多くの参加者にとって家事労働ハラスメントをはじめとした、非正規労働者を巡る課題を学ぶ有意義な時間となりました。

 

講演会の様子はこちらからご覧いただけます。(視聴にはパスワードが必要です)