研究


研究内容

 重力を含めた素粒子の統一理論に関連したテーマ、特に、超弦理論や その低エネルギー有効理論である超重力理論、超対称性理論の数学的な面 について研究を行っています。

 素粒子論は、物質の最も基本的な構成要素である素粒子と、その間に働く相互 作用の性質を研究する分野です。知られている4つの相互作用のうち、強い相互 作用、電磁相互作用および弱い相互作用については、標準理論とよばれる確立さ れた理論があり、多くの素粒子現象を矛盾なく説明しています。一方、残りの 重力相互作用については、その基礎理論は今のところ未完成です。

 現在、重力を含めた素粒子の統一理論の候補として注目されているのが超弦理 論です。超弦理論は、10次元時空中の1次元的な広がりをもった弦に基づいた理 論で、重力理論の問題点を解決する可能性を秘めています。また、超弦理論に密 接に関係したM理論とよばれる11次元時空中の理論もあります。これらの理論は、 弦だけではなく、2次元的な広がりをもった膜や、さらに高次元の広がりをもっ た物体を含んでいます。

 超弦理論の「超」という言葉は、理論が超対称性とよばれるボソンとフェルミ オンの間の対称性をもつことを意味しています。すべての素粒子は、同種の粒子 が複数集まったときの性質(統計性)によって、ボソンとフェルミオンの2つ に分類されます。ボソンは、1つの状態に複数の粒子が同時に存在することが できる粒子で、その代表例は光子です。一方、フェルミオンは、1つの状態には 1個の粒子しか存在できない粒子で、その代表例は電子です。超対称性をもつ 理論には、ボソンとフェルミオンの入れ換えに対する対称性があります。

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