2次システムの制御対象を電子回路でエミュレート

マイコンやパソコンを使って計測システムや制御システムを実現する。
電子回路でエミュレートした制御対象に対して、フィードバック制御の実験を行う。

線形制御

制御の目的は、与えられた対象を思うがままに操ることにある。
そのために対象がどのような特性をもつのかを十分に把握する必要がある。
対象となるほとんどのものは、動特性であり微分方程式によって表現される。

2階線形微分方程式


または、2次システムは一般に次のように表現される場合が多い。

ωn:固有周波数 ζ:減衰係数

PSpiceのABMで表現した2階線形微分方程式

ABM(Analog Behaviour Model)

微分方程式の係数を変化させたときの応答波形

a1 = 4, 6, 10, 14, 20 (ζ= 0.2, 0.3, 0.5, 0.7, 1.0)
a2 = 100 一定

フィードバック制御

フィードバック制御により微分方程式の係数a1,a2を自由に変えることができる。
すなわち、制御対象の応答を改善することができる。
a1 = 4 (ζ= 0.2)のとき制御対象の応答は振動的であるが、フィードバック制御によって 応答を改善する。係数a1 = 4(ζ= 0.2)をa1 = 20(ζ= 1.0)に変える。
ここで注意することは、制御対象の内部状態x'(t)をフィードバックしているが、現実のシステムで センサを用いて検出できるかが問題となる。

フィードバック制御(k1 = 16, k2 = 0)により改善された応答波形

応答の評価

制御系において最も重要なことは、システムが安定に動作することである。
次に要求されることは、応答性(過度特性[速応性・減衰性]・定常特性)が良いことである。
オーバーシュートOSと整定時間ts

(ζ = 0.7でOS = 5%)
(tsで応答の振幅は最終値の±2%)

フィードバック制御 k1 = 30, k2 = 300
このフィードバックによって、微分方程式の係数はa1 = 32, a2 = 400に変わった。
速応性は改善されているが、実は操作量は4倍に増えている。

ABMを回路で構成

ABMは数学モデルなのでシミュレーションでは有用であるが、現実の世界にそのまま持ってくる ことはできない。そこでABMを現実に存在する電子部品で構成して製作する。はじめにそれぞれの ABMをサブサーキットとして作成し動作を確認する。

制御対象を電子回路でエミュレート

Scilabによる制御系の設計


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