REPORT

2017.05.29(月)更新

埼玉大学ダイバーシティ推進講演会を開催しました

3月9日(木)、「ダイバーシティ推進講演会」を開催しました。はじめに山口宏樹埼玉大学学長からご挨拶があり、次いで科学技術振興機構(JST)科学技術プログラム推進室プログラムオフィサーの山村康子先生より、「研究の場におけるダイバーシティの促進を目指して」というテーマでご講演いただきました。

山村先生からは、日本の女性研究者の割合が国際的にみて非常に低いこと、その理由として、家事育児負担の存在があること、さらに、我が国では教授などの上位職や研究リーダーにつく女性の割合も低いことが、詳細な数値(グラフ)とともに示されました。次に、この女性研究者の活躍推進のために、国が策定している「科学技術基本計画」、その遂行促進のためにJSTが行ってきた「女性研究者研究活動支援事業」、「女性研究者養成システム改革加速事業」、そして「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」についてのご説明がありました。さらに、これらの事業により各大学で行われたグッドプラクティスとして、京都大学や、京都府立医科大学の病児保育の取組、岡山大学の「ウーマン・テニュア・トラック」、東京農工大学の「1プラス1(常勤の女性教員を採用した専攻に、1名分の特任助教の人件費を支給)」、九州大学の「女性枠設定による教員採用システム」、千葉大学の「定年退職者ポスト2年間前倒しによる女性枠設定」、名古屋大学の「女性PI(Principal Investigator)枠」等といった女性研究者採用の取組についての紹介がなされました。最後に、埼玉大学への期待として、ダイバーシティ研究環境推進により、埼玉大学第3期中期目標達成することの重要性をご指摘いただきました。

このダイバーシティ推進講演会には、大学執行部、各部局長が参加し、教職員合計59名が受講しました。アンケート結果から、「改めて日本における女性研究者の割合の少なさを実感しました」「日本の女性研究者比率がとても低いことにおどろいた」といった現状認識の声、「先進的な取組事例が参考になりました」「埼玉大学にとって良い刺激になったと思います」「他大学の取組は大変参考になりました」「女性限定公募について考える、よいきっかけになりました」といった他大学の取組事例についての声、「理工系30%は達成できないと思います。両立支援の前に女性学生比率(院生)を増加させないといけない」「本学の中期目標及び中期計画を改めて提示いただきました。特に事務職員採用比率50%にすることが記載されており、学内の状況を調査、分析し達成できるように努力しなければならないと改めて思いました」といった数値目標達成についての声、「家庭生活支援の方策を考えられるような情報交換の場を設けてはいかがか」といった今後の取組に関する声などが寄せられました。

山村先生のご講演は、埼玉大学の男女共同参画について考える貴重なきっかけであり、埼玉大学でのダイバーシティ研究環境の推進をより一層加速するための有意義な講演会となりました。

学長挨拶
会場の様子