ダイコンのアラビノガラクタン-プロテインの糖鎖構造解析


 アラビノガラクタン-プロテインとは?
    主に加工食品に含まれる食品添加物は、現代の食文化に不可欠となっています。食
   品添加物の中で、とろみや歯ごたえを与えるものにアラビノガラクタン
(AG) があり
   ます。アラビノガラクタン
-プロテイン (AGP) AGの仲間です。AGPはダイコンや小
     麦など、私たちの身の回りにある植物に含まれています。



 構造解析とは??
    構造解析とは、どんな構造 () をしているのか調べることです。AGPにはまだわか
   らないことがたくさんあります。構造もその
1つです。構造がわかれば、そこからど
   んな働きを持つか予想できます。
AGPの大部分は単糖という部品が連結し合ってでき
   ています。単糖の最大の特徴は、連結できる箇所が
45箇所もあることです。種類も
   たくさんあります。そこで、私の研究では主に次の
2点を調べます。

   


  実験内容

     AGPは非常に大きいため、そのまま調べるのは困難です。そこで「酵素」というはさみを使って
   AGPを大まかな断片にします。この断片を1つずつ調べていきます。
     
   @  どんな単糖 (部品) でできているのか?
      断片を完全に分解します。それを
HPAEC-PADという方法で分析すると、どんな単糖 (部品)
      どのくらいあるのかわかります。
     
HPAEC-PAD:陰イオン交換クロマトグラフィーと電気化学検出システムの組み合わせ

   
  A どの部分で連結しているのか?
      まず何も繋がっていない部分を、メチル基 (ふた) で塞ぎます。その後に断片を完全に分解する
      と 、
連結していた部分だけ塞がれていない状態になります。どの部分が塞がれていないのか調
      べることで、どの部分で連結していたかわかります。この分析にはGLCという方法を使います。
      ※GLC:ガスクロマトグラフィー
    

   
    @Aの実験を断片ごとに行います。全体の構造を少しずつ明らかにしていき、AGPの構造と機能
   の関係性を明らかにすることを目指しています




     参考文献
     Tsumuraya Y, Ogura K, Hashimoto Y, Mukoyama H, and Yamamoto S. 1988.
     Arabinogalactan-proteins form primary and mature roots of radish (Raphanus sativus L.). Plant 
     Physiol., 86, 155-160


 

Valid XHTML 1.0!