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2024.07.25(木)更新
2024年7月11日(木)に彩の国 女性研究者・技術者ネットワークの担当者連絡会を実施しました。学内外から選出された運営委員や今年度から新規参画した機関を含めて、各企業や大学、研究所から30名を超える参加がありました。会議は対面参加とオンライン参加のハイブリッドで開催しました。
北田センター長の挨拶の後、瀬山准教授より運営委員会での審議・確認事項について、本ネットワークの名称が、よりインクルーシブなありかたを目指して「彩の国女性研究者ネットワーク」から「彩の国 女性研究者・技術者ネットワーク」へと変更されることなどが報告されました。
参加者の自己紹介を行った後で、参加者は事前に設定したそれぞれのテーマに分かれ、ダイバーシティ推進センターの教員がチェアを務めるかたちで課題別ディスカッションを行いました。
「快適な職場環境とワークライフバランスについて」をテーマにしたグループでは、職場での温度管理の話題にも触れつつ、主に長期休暇の取り方について議論がなされました。参画機関の男性職員が1年間の育児休業を取得したことを例に、休業もしくは休暇の取り方に関するスケジュール調整や役割分担が課題であるものの、取得者への聞き取りなどを通じて、休業・休暇を取りやすい環境の確立を目指すことの必要性を確認しました。
「障害のある人とない人が共に働く職場づくり、合理的配慮について」をテーマにしたグループでは、埼玉大学の取組みを紹介しつつ、専任教員を雇用し、障害学生の個別ニーズに対応できる体制や、運営会議等での横断的な情報共有の重要性について考えました。障害理解研修の実施などについても情報提供が行われました。障害の多様化に伴う対応の必要性や職域開発についても活発な議論が見られました。
「職場における多様な性への理解と対応について」をテーマにしたグループでは、トランスジェンダーの学生の悩みを受けトイレ対応などが試みられた事例が共有され、当事者の声を聞く機会を作り、学生と一緒に取り組む地道な努力が必要であることを確認しました。そのためにはインクルージョンの気持ちを醸成することが重要であるとの意見が寄せられ、このようなネットワークの機会を通じて大学と企業がつながり、大学での取組みの蓄積を還元しやすくすることが重要であると理解を深めました。
「学習する組織づくりについて」をテーマにしたグループでは、組織で立場(上司・部下等)や世代(若手・中堅以上等)の違いによって、課題に対する認識のずれや共通理解の難しさが生じる原因について議論し、参画機関からは、若手だけのワーキンググループの活用や、世代別グループによるワークショップの実施などの豊富な実践例が共有され、健全な意思決定を促すには、構成員間で思考過程を共有し、同じ方向に向かうための学習が重要であることを確認しました。また、企業での実践に倣い大学組織でも安心安全な場を作るための意識改革と実践が必要であることが共有されました。
「女性管理職を増やすために必要なこと」をテーマにしたグループでは、女性従業員の母数が少ない中で、管理職に女性を登用することの難しさ、出産や子育てなどのライフイベントが昇格や本人の昇進意欲に影響することが課題として共有され、組織内でバイアスを取り除くための意識改革の必要性や、柔軟な働き方の導入などライフイベントを考慮したサポートの必要性を議論しました。
担当者連絡会としては初の試みとなった課題別ディスカッションでしたが、研究や技術、生産現場での女性の活躍ということを意識しながら、大学や企業、研究所の垣根を超えて多様なテーマのもと、有意義な議論が行われました。各グループで得られた知見や提案は、職場環境の改善や多様性の理解促進に寄与するものであり、今後の取り組みの参考になることが期待されます。引き続き、参画機関のみなさまと議論を深め、女性研究者・技術者を後押しする社会の実現を目指していきたいと思います。ご参加いただいた参画機関のみなさま、貴重な意見をお聞かせいただき誠にありがとうございました。