Current Progress on “Bubble dynamics upon the interaction of two underwater objects”
接近する二物体間に生じる気泡に関する基礎研究[1]
[1] このプロジェクトは、公益財団法人 JKA 2025年度 相互に接近する物体間の薄膜流れと付随する発泡現象を用いた新奇な流体機械要素の開発 補助事業としてご支援いただいた内容を含みます。
最終更新(revision):28_05_2026
Overview / 概要
液体中において接近する二つの物体が相互に干渉する様子を詳細に観察すると、その隙間に円環状の気泡が発生することがあります。本研究では、その工学応用へ向けて、気泡の運動を決定づけるプロセスの解明を目指しています。
Progress / これまでの結果
現在はまず、気泡運動を特徴付ける量である、気泡の最大サイズを決定するプロセスを明らかにすることを目指しています。これまで、過去の研究では、水中において球が平板に衝突する際に生じる気泡については、そのサイズを示す相似則が提案されてきた一方で、平滑部と曲率を有する、本研究が対象とするような衝突体が形成する気泡については、知見が限定的でした。
気泡の発生機序を明らかにし、最大サイズを記述する無次元数を特定するため、本研究では、高速度カメラを用いた実験と、理論的な解析とを組み合わせて取り組んでいます。実験では、3Dプリンタで作成したモデルを水中で平板へと接近させ、その干渉時に隙間に生じる気泡(図1)の運動を調べています。高速度画像計測および画像処理を用いて、理論的な解析結果と比較しています。
これまで、液体の慣性力が重要となる条件において、気泡の無次元体積を特徴付ける無次元パラメータを導き出し、実験結果と定性的ながら良い見通しを得ています(図2)[2]。
[2] これらの成果は、APS Global Physics Summit 2026にて口頭発表として報告しています(Kiyama A., et al., APS Global Physics Summit 2026, Denver, CO, USA, March 16th, 2026. )。図1および図2は発表資料から抜粋。
また、工学応用に向けて種々の実験を行なっています。現在取り組んでいる内容の一つは、液体輸送量の評価に向けた、流れ場の把握です。液体中に粒子を導入し、その移動を検査することで流速を推定するPIVという手法を応用し、計測を試みています。現在得られている代表的な可視化像の一つを図3に示しています[3]。これは、物体間の干渉が最も顕著な衝突直前の画像を示したものですが、定性的なレベルではこれまでの考察と一定程度整合する結果が得られてきています。しかし、測定精度など更なる改善が必要です。
また、現在取り組んでいる課題の一つは、物性の異なる液体中での挙動についてです。これまで、純水と比較して50倍程度の粘度を有するオイルを用いた実験を行い、粘性力の寄与が大きくなる条件では、上述の無次元パラメータのみではデータの傾向が整理できないことがわかってきています。私たちは、より幅広い条件下での整理を目指して、取り組んでいます。
[3] これらの結果は、日本機械学会関東支部 第65回関東学生員卒業研究発表講演会にて口頭発表として報告しています(佐久間、木山ら、第65回関東学生員卒業研究発表講演会、東京、2026年)。図3は発表資料から抜粋。
News / できごと
2026年5月29日 各ページからのリンクを修正しました。
2026年5月 [1]について研究報告を行いました。
2026年5月 これまでの履歴を整理しました。
2026年4月 新しい研究体制でプロジェクトを継続しています。
2026年3月 学会発表[2], [3]を行いました。
2025年12月 研究推進に向けて高速度カメラが導入されました。
2025年10月 [1]について中間報告を行いました。
2025年4月 公益財団法人JKA様のご支援[1]により、研究プロジェクトを開始しました。
2025年4月 研究プロジェクトに学生1名が加入しました。
2024年11月 学会発表を行いました。
2024年9月 学会発表を行いました。
2024年4月 研究プロジェクトに学生1名が加入しました。
2024年1月 「ポッパーによる気泡生成」の論文が掲載されました。
