みなさんの周りにはたくさんの植物がいますね。しかし、植物はもともと水の中にいました。
いったい、どのようにして陸上へと進出したのでしょうか。
植物が最初に陸上へと進出したのは約5億年前と考えられています。
水中にはたくさんの光合成生物がいましたが、はじめに陸上へとあがったのは、シャジクモと呼ばれる緑藻の仲間だと考えられています。
緑藻がもつクロロフィルは光合成を行うのにより広い範囲の光を利用することができるからです。
そしてはじめの陸上植物はゼニゴケのようなコケ植物だったと考えられています。
ここでは植物の陸上生活を支えるしくみ(物質)をみてみましょう。
ゼニゴケは、陸上生活を送るため乾燥に適応した構造をもっています。
いったいどのような構造なのでしょうか。見てみましょう。
カップのようなくぼみの中に扁平な構造がたくさん見えますね。これは無性芽といい、乾燥に強い構造になっています。
この無性芽から、新しい個体ができます。
陸上へ進出するには、「乾燥」に耐えなければなりません。
シャジクモの仲間は、陸上へ進出するために、クチクラ層を手に入れました。
イチョウの葉を見てみましょう。
どんどん拡大してみると、クチクラ層の表面を見ることができます。表面はワックスで覆われています。
クチクラ層もワックスも疎水性で、水分の蒸散を防ぐことができます。
次世代を残すために生物は受精を行います。
コケ植物やシダ植物では、精子が泳いで卵細胞にたどり着いて受精が起こります。
この方法では、受精のために水が必要です。
しかし、種子植物では花粉によって受精が行われています。
花粉には何か秘密があるのでしょうか。
これは、アサガオの葯と花粉です。
花粉は、乾燥状態でも生き残るために、スポロポレニンという化合物を含む壁で覆われています。
また、花粉の形は植物によって異なっていて、花粉の化石が発見されると、かつてどのような植物が育っていたかを知るための手がかりにもなります。
陸に上がった植物は、維管束を発達させました。オシロイバナの茎や根の断面を見てみましょう。
どんどん拡大していくと道管が見えてきます。
道管は水の通り道です。網目状やらせん状になっているのを見ることができます。
道管の壁にはリグニンが沈着していて、このリグニンも疎水性です。木材が固いのもリグニンのおかげです。