(2015/03/17)
平成8年2月
本学では、現在約8,500人の学生(内大学院生約730人、留学生約350人)が各学部、研究科で勉学や研究活動に勤しんでおり、大学として日頃より学生の学園生活向上に努めてきている。
大学においては、知的・専門技術的な正課教育の重要性は勿論のことであるが、その重要性が増せば増すほど正課外の教育活動の果たすべき役割が増大している。
昨今の大学を取り巻く環境の変化とともに、学生の生活を支援する学生サービスの様相も様変りし、学生の正課外の教育活動に対しての新たなニーズに大学はどう応えていくか、その対応が緊急の課題となっている。
1.課外活動にあっては、現在公認サークルとして30サークル、非公認サークルとして102サークルが、大学の内外を問わず活動している。
特に女子柔道、女子バスケットボール、男女陸上、パワーリフティングのように、相当高いレベルに位置して活躍しているサークルも数少なくない。
今後このようなサークルが、更に充実した発展を遂げるには、各種大会への参加費用・遠征費用(海外を含む)等に対する経費支弁システムの構築が必要であり、万一遠征中に起きた事故に対する救援処置等にも充分考慮しておかなければならない。
また、各大学は体育大会及び文化系サークル発表大会等の当番校が数年単位で回ってくる。いずれの当番に当たった場合も、年々種目数が増える等でその規模が拡大し、当番校の負担が相当のものとなっている。これに対応するため、毎年積立を実施してその基金で遺漏のない、しかも充実した大会等の運営を実施する必要がある。
2.一方、留学生については、昭和59年には15名足らずであったものが、約10年後の平成7年には約350人と急速な増加を見せている。 留学生受け入れに際しては、人数が少数な頃には、担当教官を中心に相当手厚いケアーシステムがとれていたが、現在に至っては、それを望むことが不可能となっている。特に受け入れに際しての保証人問題は、ブローカーが介在するなど、その改善が焦眉の急となっている。
そこで、俄かに機関保証制度の問題がクローズアップされてきているが、これを実効あるものにするには、留学生の不慮の事故等、予測しがたい災害等に対する保証制度の確立が急務となっており、これらの積立金等の経費支弁システムの構築が必要となっている。
学生の海外派遣については、現在、本学とアメリカ2大学、及びオーストラリア1大学との間で交流協定を結んでおり、今後益々活発化していくことが予想されるが、現状では受け入れ留学生に比べて、派遣留学生が極端に少ない状況にある。これは、派遣する学生に対する財政的な支援体制の不備が一因であると考えられ、今後真の意味で国際交流を推進していくためには、派遣留学生の経費支弁システムの構築が必要となっている。
3.また、昨今の経済の低迷に起因する雇用状況の悪化は、近年に例を見ないものである。この雇用状況の変化は、経済システムの変化に即応したリストラ等によるものも一因となっており、今後経済状況が好転しても雇用の拡大は望めないとする声もある。
このような中で、埼玉大学においても、平成元年度に約6,700件の求人件数のあったものが、平成6年度には約3,700件と極端な減少が見られる。
また、教員の採用状況においても、平成元年度に約350件あったものが、平成6年度には約150件と、これまた大幅な減少となっている。
大学としては、就職説明会、企業との直接面談、就職に関する講演会、資料の作成等様々な企画に着手し始めたところであるが、今後においては、就職先開拓等を始めとした大学における就職あっせん業務を、体系的、総合的な形で展開する必要があり、これらに要する経費について別途支弁システムを整える必要がある。
4.その他経済的に困窮する日本人学生及び留学生に対する経済援助、あるいは福利厚生施設の整備充実等のための経費支弁システムの構築も必要となっている。
以上のような種々の事柄に対応するため、新入学生の父母等からの会費を中心とした「後援会」組織を整備することが必要不可欠となっている。