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大学院生向け 抄訳資料

下記の抄訳資料は、意訳・補足・悪文・意図せざる誤訳^^; ありの粗訳なので、大雑把な参考資料として使うように。研究で本格的に使用する場合は必ず原文を入手してそれを読んでもらいたい。なお、明らかな誤訳については、指摘してもらえればありがたい。

固有名詞の表記等は主に『リーダーズ英和辞典』と『英米史辞典』によっているが、定訳が見つけ出せなかったものについては原語を補い、適当な訳語・表記を当てておいた場合がある。

1815-1832年のイギリス政治史 Eric J. Evans, Britain Before the Reform Act : Politics and Society 1815-1832 より

フランス革命期のイギリス Jennifer Mori, Britain in the Age of the French Revolution 1785-1820 より


リンク集

ネット上にある近現代の政治史・社会史にウェイトを置いたページとして、 資料集的な性格をあわせ持つ Spartucs Educationalが便利である。 下記から検索可能。

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日本語で読める歴史用語辞典としては 歴史事典データベースが便利である。おそらく、無料のネットワーク上の歴史事典としては、質・量ともに最高の水準のデータベースと思われる。「50音順」から入るように。


院生のための基本文献

19世紀イギリス経済思想史を学ぼうとする大学院生(修士レベル)に役立つ、周辺領域の文献を紹介しておきます。

The History Today Companion to British History, Collins & Brown, 1995.
イギリス史辞典としては研究社版『英米史辞典』があります。便利な辞典ですが、値段が高すぎます。そこで手ごろなものとして 雑誌 History Today が編集した辞典をあげておきます。わが国ではあまり知られていないようですが、値段の割には収録項目も豊富で座右におくと便利です。History Today 編集であるせいか、堅苦しい歴史学的な記述だけでなく、エピソード的な記述も多いのが特徴です。これが結構、役に立ちます。それから文体が平易なので、Oxfordの英米史辞典よりもとっつき易いはずです。

北野大吉『英國自由貿易運動史』日本評論社、1943年。
当時のジャーナルや議会演説まで視野に入れた貿易論争史です。1846年の穀物法廃止を中心に、スミスの自由貿易論から20世紀のブロック化の動きまでを扱っています。単なる自由貿易運動史にとどまらず、政治的、経済的な背景にも目配せがきいいた良書です。戦前・戦中の研究の質の高さを再確認することができます。比肩すべき日本語文献は未だにないと思います。19世紀のイギリス経済政策に関心のある人の必読文献です。戦時中に刊行されたバイアスによるところもありますが、イギリスの「帝国主義」としての側面が強調されており、自由貿易帝国主義論を髣髴させる議論もあります。

R.D.C.Black, Economic Thought and the Irish Question 1817-1870, Cambridge, 1960.
アイルランドを巡る政策論争は、イングランドやスコットランドの経済学を背後から映し出す鏡のようなところがあります。古典派経済学者は、マルクスが指摘したように「ブルジョア社会」しか念頭になかった連中ではありません。彼らが、具体的な状況の中で理論の妥当性を考えようとしていたことが分かるでしょう。本書は歴史的な背景を解説しながら、様々なアイルランド論を解説しています。読みやすい英語なので英語学習にも向いています。

『史学雑誌』研究動向特集号。
経済思想史研究者でもこの特集号の存在を知らない人がけっこういるようです。門外漢がイギリス史の論文をサーベイするのはたいへんです。そこで、邦語の著書と論文のサーベイですが、年に1回『史学雑誌』が特集する「研究動向」を眺めることをお薦めします。わが国のイギリス史研究は対象にかなり偏りがありますので、そのことを忘れないようにして下さい。

E.P.トムスン『イングランド労働者階級の形成』青弓社。
大作の翻訳がようやく刊行されました。18,19世紀のイギリスを学ぶ者ならば、必ずは目を通さなければならない必読文献です。