科学技術の社会実装教育エコシステム拠点形成事業

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金沢工業大学は,4学部12学科,大学院3研究科11専攻から構成され,学生約7000名は全国から集っています。
教育目標は,「自ら考え行動する技術者の育成」で、この目標を達成するために授業や夢考房などの課外活動を通じて実社会の課題にチームで取り組み,アイデアの創出から具体化するまでのプロセスを常に意識する教育を実践しています。また,学生の向学心を一層奮い立たせるような環境・支援体制の整備に積極的に取り組むことで,「教育付加価値日本一」を目指しています。
教育の最大の特徴は,学生自らが社会的価値を持つ研究課題を発見し,解決策を創出する実践教育「プロジェクトデザイン教育」を教育の柱に据えていることにあります。工学教育で重視されている「CDIO](Conceive:考え出す,Design:設計する,Implement:実行する,Operate:運用する)に取り組み,ユーザーが必要としているものを発見し,創出した解決策は具体化し,実験・検証・評価します。また、学生は世代・分野・文化の異なる人達と共に学び,共にプロジェクトを進め,共に研究に取り組むことで,イノベーションを創出するための「未来へチャレンジする研究力」「総合力(学力×人間力)」「グローバル対応力」を実践的に身につけます。

高度な情報技術と複数の専門分野の知識と実践的スキルによって社会で適切な価値を創出できる人材の育成

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本取組の目的は、Society5.0をリードする「高度な情報技術と複数の専門分野の知識と実践的スキルによって社会で適切な価値を創出できる人材」の育成です。
Society5.0と呼ばれる社会では、サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合されたシステム上で、経済の発展と様々な社会的課題が同時に解決されることが期待されています。
本取組では、まず全学的な情報技術教育の導入を実現するために、AI,IoT基礎などの科目について予備的な実施を行うと同時に、Society5.0 に必要な倫理観を育成するための科目や分野融合型のPBLを準備します。また、6年制メジャー・マイナー制度の導入を実現するために、これまで構築してきたサブメジャー制度をベースに、複数の学科の科目を柔軟に受講することができるシステムを検討します。同時に、機械工学科において先行して実施している大学院進学コースの評価・検証を行いながら、各学部に6年一貫コースを配置することを検討します。最後に、社会実装を実現する深い産学官連携を実現するために、実務家教員を採用し、プロジェクトデザイン科目のファシリテーション、分野融合型の研究プロジェクトのマネジメントや実務家教員の評価の仕組みの構築を行っていきます。

取り組み詳細

POINT1全学的な情報技術教育の導入

サイバー空間とフィジカル空間が接合するSociety5.0の社会で活躍する人材は,先進的な情報技術に関する知識やスキルを有している必要があります。
本事業では,全学生にこのような知識やスキルを身に着けることができる科目群として,1年次に統計に関する基礎的な知識とPythonなどのプログラミング言語に関するスキルを学ぶ「ICT基礎」,Arduinoのような電子デバイスによって,各種センサからのデータを取得する技術を学ぶ「IoT基礎」,得られたデータ群やWeb上にあるビックデータを既存のAIツール(Watson APIなど)を使って解析する「AI基礎」を提供します。学部2年次~大学院2年次には,様々なデジタルデータを守るための知識やスキルを学ぶ「情報セキュリティ」、自動運転や高度なロボット操作を実現するための回路設計や制御理論に関する内容を学ぶ「IoTとロボティクス」,非常に多くのデータから意味のある情報を抽出するために深層学習や自然言語処理に関する内容を学ぶ「AIとビックデータ」を提供します。
これまでも1年次に全学必修科目として開講してきましたICTスキルに関する内容を充実・変更することで先の科目群のベースとなるスキルを形成していきます。また,2年次以降に提供してきた全学生が受講する「技術者倫理」「技術マネジメント」を, Society5.0のための人材を育成する基礎科目として内容を更新します。

POINT26年制メジャー・マイナー制度の導入

 Society5.0の社会では,様々な分野が融合することにより,新たな価値が創出されることが期待されています。このような新たな価値を創造できる人材を育成するためには,従来の1つの分野にこだわる教育ではなく,様々な分野が共に創造的に関わる「共創型」教育が必要で,複数分野の専門性を身に着けるには6年からなる教育プログラムが適切であると考えられます。
本事業では,学生がメジャーとなる専門に加えて,マイナーとなる他の専門の科目を柔軟に受講できるようにし,一定の単位数を受講した学生にはメジャー,マイナーからなる学位を授与するプログラムを構築します。また,単に本学だけの専門領域だけではなく,他の大学(金城大学,金沢医科大学)との連携プログラムを構築することで,看護学や医学に関する領域についても学べるようにします。また、プログラム構築の際には, VR(Virtual Reality)等を用いた遠隔授業システムの実現にも取り組みます。
これまでも学部において,複数の学科の内容が学べる「サブメジャー制度」を運用し,2016年度より複数の学科が協力してプロジェクト型の教育を実施する枠組みとして「分野を超えた共創教育」を実施しています。これらの教育の枠組みを大学院まで拡張して6年のプログラムとすることで、より柔軟で多様なプログラムを構築します。

POINT3社会実装を実現する深い産学官連携

Society5.0の社会では,AIなどを備えた高度な情報システムが,人が得意としないような作業を担当することとなり,結果として快適で質の高い「人間中心型」の生活が実現されることが期待されています。このような社会が適切に形成されるためには,Society5.0を実現するための技術を考案するアカデミックなサイドと,これらの技術を利用する企業・行政サイドが,互いにその問題を深く共有し,協力しながら解決策を模索していくことが重要であると考えられます。本事業では産・官の領域の人材を実務家教員として一定期間(数か月~数年)受け入れ,現場で切に求められる知識や技術について教授してもらいます。加えて,本学独自のPBL科目である「プロジェクトデザイン教育」や「インターンシップ」科目において,学生が中・長期のインターンシップに出向き,その現場で問題を思考(Conceive)し,解決策を設計(Design)して,それを実装(Implementation),運用・評価(Operation)する力(=国際的な工学教育のフレームワークである“CDIO”に基づく実践力)を身に着けることを目指します。
また、これまでの共同研究やインターンシップなどの取り組みを深めていくことで,Society5.0に必要な人材を大学だけではなく,社会と共に育てていくことを実現します。加えて継続的で適切な連携関係を保つために,教育に関わる教員や学生の成果を多面的に評価するシステムを新たに構築していきます。

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連絡先

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p-office@mlist.kanazawa-it.ac.jp
住所
〒921-8501 石川県野々市市扇が丘7-1
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