研究紹介
細胞状態依存的な外来RNA応答選択の分子原理解明とその制御
生体では、同一の刺激に対しても、細胞の種類や状態によって全く異なる応答が引き起こされます。こうした応答の多様性と選択性は、生体の柔軟性や適応力を支える根幹的な仕組みですが、その分子原理は未だ十分に理解されていません。特に、ウイルス感染や核酸医薬などによって細胞内に生じる外来RNAに対する応答は、RNA分解、翻訳抑制、インターフェロン応答、細胞死など多様な反応へと分岐します。しかしながら、なぜ同じ外来RNAであっても細胞状態によって応答が大きく異なるのかという基本的な問いは未解明のままです。
私たちはこの問いに対し、外来RNA、内在RNA、RNA結合因子の相互制御に着目して解析を進めています。すなわち、外来RNAに対する細胞応答は外来RNAそのものの性質だけでなく、内在RNAとRNA結合因子群によって構成される細胞内RNAネットワークの状態によって決定されるという原理です。外来RNA応答を個別の分子経路としてではなく、RNAネットワークの構造変化として理解することで、従来、RNA分解、インターフェロン応答、細胞死など独立した経路として研究されてきた現象を、統合的な応答選択システムとして捉えようとしています。 将来的には、ウイルス感染、がん、核酸医薬に対する応答など一見異なる現象を統一的に理解し、外来RNA応答に限らず、細胞が多様な刺激に対して応答を選択する一般的な生命原理の理解にも繋げたいと考えています。具体的にはこれまで以下のような研究に取り組んできました。⚫︎ 外来RNAセンサーファミリータンパク質LGP2が内在RNA制御システムに与える影響
Takahashi et al. 2020 NAR,
Takahashi et al. 2018 NAR
⚫︎ 外来RNA導入時のRNA結合因子TRBPの機能変化
Shibata and Moriizumi et al 2024 NAR
⚫︎ 内在RNAと外来RNA相互制御の情報科学的解析
Shibamoto and Kitsu et al 2024 Biol. Open
⚫︎ small RNAが制御する抗ウイルス免疫システムに関する総説
Takahashi et al. 2021 PLoS Pathog.
⚫︎ siRNAなど小分子核酸の分子デザイン
Takahashi et al. 2014 NAR
現在進行中の研究の詳細は、個別にお問い合わせください。特に、siRNAやmicroRNAなどのRNAサイレンシング系が専門です。
大学院生や学振PDなどの受入、研究室見学(メールでのアポ必要)、共同研究を歓迎します。
詳細は高橋までお問い合わせください。
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