Leader Greeting ご挨拶
埼玉大学副学長(ダイバーシティ推進・キャンパス環境改善担当)・ダイバーシティ推進センター長
田代美江子
埼玉大学は、2021年に「埼玉大学ダイバーシティ宣言」を制定しました。そこには、多様な人々の人権が尊重されるという「多様性」(ダイバーシティ)の理念と、その多様な誰もが安心して学び、働き、活躍できる機会を保障するという「包摂」(インクルージョン)の理念を、大学のすべての取組の基盤として、大学のみならず、地域や社会におけるダイバーシティ環境の実現に努めることを宣言しています。
「彩の国で育もう、理工系女子の未来を!彩の国から変えよう、理工系の未来を!」と題したこの取り組みは、こうした埼玉大学のダイバーシティ推進の取り組みの一環です。
みなさんもご存じの通り、日本は残念ながら、世界の国々と比較すると男女の格差が大きい国です。その格差のひとつが、理工系に進学する女子が少なく、その分野で研究し、活躍する女性が少ないことです。いうまでもなく、女性が理工系に不向きだからではありません。もちろん、女性が生まれつき理工系のことに興味を持たないということでもありません。これは、性別に関する偏見や思い込みも含め、社会の中にさまざまな問題があるからです。
理工系分野の学び、そこから生み出される技術や物づくりの仕事は、私たちが思っている以上に多様で豊かです。そこにはおもしろいことがたくさんあります。そうしたおもしろさに触れるチャンスがもっとあれば、性別に関係なく、理工系の学びを深めてみたいと思う人はたくさんいるはずです。
埼玉大学のこの取り組みは、そうしたチャンスをみなさんに提供するものです。そして、理工系への興味や関心を深め、それを追究していこうとするみなさんを励まし、応援します。
理工系分野に女性が増えていくことは、そこから生み出される技術や物づくりの世界をより豊かにするはずです。理工系の未来をつくるのは、みなさんです!
理工系をめざす女子中高生の皆さんへ
埼玉大学大学院理工学研究科
研究科長 石井昭彦
理工系をめざす女子中高生の皆さん、こんにちは。ワーキンググループ(WG)リーダーの石井です。ホームページを訪問して頂き有り難うございます。
さて、私たちが普段身の回りで便利に使っているもので、そこに科学・科学技術のないものはありません。何気なく当たり前のように使っている電子レンジやプラスティック製品から、すでに手放すことができなくなったスマートフォンやインターネットなど、数え上げたらきりがありません。これらがどのような仕組みで動いているのか、製造されているのか、考えたことがありますか? また、知りたいと思いませんか? 一方で、近年の世界的課題である再生可能エネルギーやSDGs、感染症対策も科学・科学技術の視点から理解し、行動することが大切ですね。
2021年に始まった埼玉大学の「女子中高生の理系進路選択支援プログラム(略称:WISE-P)」では女子中高生の皆さんが理工系に進むことを支援するためのイベントを開催しています。WISE-Pではサイエンスあるいはサイエンス的なものに心惹かれる皆さんに、いろいろなサイエンス体験をとおして、その興味・関心の器(うつわ)を広げてもらいたいと思っています。
具体的には、「サイエンススクール(体験実験)」、「ラボ(研究室)訪問」、出前講義などです。埼玉大学のキャンパス内で行われるサイエンススクールやラボ訪問では、実際に科学・科学技術を体験したり、大学で行われている最新研究に触れたりします。さらに、教員やティーチングアシスタントの学生と直接話ができる時間があり、科学・科学技術の専門的なことに限らず、進路に関する皆さんの疑問・質問にも親身になって答えています。理工系に進んだ場合の進路の不安などもあると思いますが、是非、実際に理工系に進んで大学院で研究をしている女子学生や女性教員と話をしてみて下さい。
繰り返しになりますが、中学生・高校生のときには自分の興味・関心を伸ばすとともに器を大きくすることが大切です。WISE-Pがその切っ掛け、一助となれば幸いであり、一人でも多くの皆さんが理工系に進んでもらえればうれしく思います。
長澤 壯之
WGサブリーダー 埼玉大学大学院理工学研究科教授
女性科学者をどのくらい知っていますか。有名なところだと、数学者のコワレフスカヤや物理学者のキューリー夫人でしょうか。コワレフスカヤの時代には、彼女は男性名のコワレフスキーで論文を執筆していました。しかし、現在では女性が科学の道に進む事はごく当たり前のことで彼女もコワレフスカヤで認識されています。このプログラムでは現代の女性科学者とその研究を垣間見れます。そして、あなたは・・・。
重原 孝臣
WGサブリーダー 埼玉大学大学院理工学研究科教授
ダイバーシティ(多様性)の尊重は社会のレジリエンス(弾力性、柔軟性、しなやかさ、ストレスからの回復力)を高めるために最も大切なことの一つです。理工系の分野に携わる女性が増えることもダイバーシティを促進するために重要です。女性ならではの斬新な発想、思考、デザイン能力を活かして、理工の世界に新風を巻き起こしてほしいと思います。保護者の皆様のご理解・ご支援も宜しくお願いいたします。
菅野 摂子
WGサブリーダー 埼玉大学ダイバーシティ推進センター准教授
大学のたくさんの学問分野のなかから、皆さんは何を選びますか?すでに決まっている人もいるかもしれませんが、多くの人は迷ったり、悩んだりするのではないでしょうか。高校とは異なる大学の学びを想像するのも難しいですね。WISE-Pのプログラムは、そんな皆さんのお役に立てる情報や生きた学びを提供しています。もしかしたら、今まで想像もしなかった理工系の神秘の世界に魅了されるかもしれません。是非体験にいらしてください。
瀬山 紀子
WGサブリーダー 埼玉大学ダイバーシティ推進センター准教授
私たちが暮らしている太陽系の地球という星に、この先、どんな未来が待っているだろう。未来は、いまを生きている、私たち、一人ひとりの探求の積み重ねの先に、見えてくるのだと思う。いま、日本では、“なぜか”、女性の理工系分野の研究者が少ない。この先の未来をより多くのひとと一緒に探求していくためにも、この先の未来をつくっていく仲間を、増やしていきたい!そんな思いで、このプログラムに伴走させていただきます。