氏名: 荒木祐二
出身: 山形県新庄市
趣味: 自然観察,サッカー,わんことの戯れ
みなさんこんにちは。
私の主な研究テーマは、農地や湿地の植生とその環境マネジメントです。これまでにカンボジアの熱帯天水田や浮稲地域における農地管理と雑草多様性との関連性を評価するプロジェクトや、アンコール遺跡群の巨木調査やトンレサップ湖氾濫原の植物資源利用調査などに携わってきました。その過程において、地域特有の自然条件と地域住民の活動とを関連づけて農業生態系の機能を再評価するとともに、その地域の特性を最大限に生かしながら植物資源の公益活用を図ることを念頭においた教材づくりに励んできました。
埼玉大学は、都市近郊に位置しながらも豊かな自然と多くの田畑に囲まれています。この恵まれた環境において、学校と地域,学術機関との連携を図りながら栽培研究学の分野で研究を発展させつつ、確かな技能を持って教育現場で活躍できる人材の育成に尽力したいと考えています。
また、教育学部大久保農場の経営を引き継ぐにあたり、フィールド実習に力を注ぎ、人と環境の共生を根幹とする作物栽培の発展や自然環境保全の在り方について、学生と共に考えていこうと思っています。意欲にあふれた学生の入学を歓迎します!
学校教育における栽培学習は,子どもの身体および精神の健康と発達に寄与し,「生きる力の育成」と「環境保全の啓発」を促します。土に触れて種をまき,植物を育てて収穫の喜びを味わう体験活動をとおして,子どもたちは生命の尊さを肌で感じ,自然環境の保全・創造に努めようとする態度を身につけていくでしょう。
栽培学研究室では,栽培のそうした教育的側面を踏まえたうえで,個々の栽培植物の育成に適した環境条件・管理技法を探りながら,持続可能な栽培技術に関する研究を進めています。最近は実際にフィールドへ飛び出し,小・中学校の学校園や水田,畑において利用形態と生物多様性のかかわりを調べ,栽培生態学の視点から耕地の健全性を評価しているところです。そうして,ヒトの営みと生態系との調和を図りつつ,地域社会の発展と生物多様性の保全に貢献できるような栽培技術の創出に挑戦しています。
カンボジアでは今なお生活基盤が整備されておらず,作物栽培に必要な量の農薬や化学肥料を施せないことから,米の収穫量は著しく低い状況にあります。しかし一方で,そうした環境が残されているからこそ生き延びている多様な生物をみることができます。可能であれば,この現場を学生たちと訪問し,地域固有の生態系に過剰な負荷をかけずに生産物の品質と収穫量を向上させる栽培技術を見出したいと考えています。
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